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安藤 献児 先生

小倉記念病院 循環器内科 副院長
「医師を巻き込む。事務方の協力で効率・効果がアップ」

患者紹介元の医療機関への訪問活動に熱心に取り組んでいらっしゃるとの事ですが、どのような思いからですか。
私は2013年に主任部長に就任しましたが、「前院長の延吉先生が引退して小倉記念病院はダメになったと言われたくない」と言う思いで取り組んできました。曜日を決めてその日は診療を入れないようにし、1回8〜10カ所を回ります。ほとんどはアポなしの訪問です。循環器内科の患者数が回復する効果が見られたためか、今では各診療科の部長が 積極的に紹介元を回ってくれています。
訪問に同行する事務方の職員の役割は?
訪問する先生の情報を下調べしてくれたりています。 事務方が調べてくれた訪問先の先生の出身大学、専門分野、その他の情報などは、話題作りに役立つので訪問前に頭に入れておきます。訪問先では、医師同士の話に入る前に、他科のことや連携の窓口について聞かれる場合が少なくありませんが、事務方の担当者には、その対応を任せています。他にも、新規開院の診療所に関する情報のリサーチなども事務方が担ってくれています。
連携会や小倉循環器内科セミナーでも、事務方のアイディアをいろいろ取り入れていますが、効果はいかがでしょうか。
セミナーの開催告知をおしゃれなデザインのチラシ「つなぐ」に変更したことで、小倉記念病院循環器内科の名前が目に留まりやすくなったようです。セミナーは新しくウェブ開催で再開したところ、東京や大阪を含め大勢の方が参加してくれるようになりました。遠方の受講者が増えても患者さんの紹介にはつながりにくいですが、全国的に病院の知名度が高まる事は、この先医師を増員する際に有利に働くと考えています。
医師は一般的に、連携先への訪問など営業活動に消極的と言われますが、何か巻き込むためのポイントはありますか。
勤務先の病院のために、多忙な中、時間を割いて活動をしようと言う使命感のある医師を見つけて仲間に引き込むことですね。長くその病院に勤めて愛着を持っている医師の方が、より協力的だと思います。加えて、広報担当者が、医師が効率的に活動できるように、きめ細かいサポートをすることでしょうか。
これから連携先への対応に力を入れようと考えている病院に、アドバイスをお願いします。
最初に打った手が成功するとは限りません。様々な手法を試しながら地道に活動を続けていけば、そのうち自院に合ったやり方が見つかるはずです。十分に実施できていない病院は、その分伸びしろが大きいと考えて、まず何か始めてみてください。1つの診療科でうまくいくと、他科にも活動が広がることが期待できます。

書籍「小倉記念病院のV字回復に学ぶ 最高収益を生み出す病医院マーケティング」より1部抜粋